住所はあるのに建物がない|更地・解体済みの公示送達調査報告書


訴状などの送達先として把握している住所を訪ねたところ、建物がなく、更地や駐車場になっていることがあります。この場合は「建物がなかった」とだけ記載するのではなく、対象住所との照合方法、土地の利用状況、周辺の建物や道路との位置関係、解体や建替えを示す客観的な状況などを、写真とともに整理することが重要です。ファミリー調査事務所のリーガルサポートでは、法律事務所・弁護士・司法書士の先生方からご依頼を受け、公示送達に向けた現地調査と調査報告書の作成を全国で行っています。
結論|建物がない場合は「住所の特定過程」と「現況」を分けて記録します
調査報告書には、地図、周辺の道路、隣接建物、街区表示などから対象地点を特定した過程と、対象地点が更地・駐車場・工事中など、どのような状態だったかを分けて記録します。建物が見当たらないことだけで解体時期や転居先を推測せず、現地で確認できた事実を写真と対応させることが基本です。
この記事でわかること
- 住所は存在するのに建物がない場合の確認方法
- 更地・解体済み・建替え工事中の記録ポイント
- 公示送達調査報告書へ記載する内容と書き方
- 現地写真を撮影するときの注意点
- 調査報告書の料金・納期・オンライン納品の仕組み
建物が見当たらない住所の現地調査をご相談ください
全国対応/基本料金1件80,000円(税別)/標準納期は原則1週間以内
住所はあるのに建物が見当たらないときに最初に確認すること
まず必要なのは、調査員が確認している場所と、依頼を受けた対象住所が一致しているかを慎重に照合することです。建物がないからといって、直ちに「対象建物は解体された」と判断することはできません。
住居表示と地番の違い、地図上の表示位置のずれ、同じ番地に複数の建物が存在するケースなども考えられます。現地では、対象住所だけを見るのではなく、周辺道路、交差点、隣接建物、街区表示板、住居番号表示、住宅地図上の位置など、複数の情報を照合します。
裁判所の書式と担当書記官の指示をご確認ください
東京地方裁判所は、不送達時に行う住所・居所等の調査について、公示送達申立書兼調査報告書の書式と記載例を公開しています。必要な調査事項や提出書類は、事件内容や管轄裁判所の運用によって異なるため、実際の申立てでは担当書記官の指示をご確認ください。
対象地点の特定に使用する主な情報
- 依頼書に記載された住所
- 住宅地図や一般に利用できる地図情報
- 周辺道路、交差点、角地などの位置関係
- 隣接する建物の住居番号や外観
- 街区表示板や電柱など、場所を確認できる表示
- 依頼元から提供された従前の建物情報
調査報告書では、住所を検索した結果だけでなく、現地で対象地点をどのように特定したかが分かるように整理します。
更地・解体済み・建替え工事中の状況を確認する
対象地点を特定した後は、その土地が調査時点でどのように使用されていたかを確認します。報告書では、確認できた事実と、確認できなかった事項を分けて記載します。
| 現地の状態 | 主な確認事項 | 記録上の注意 |
|---|---|---|
| 更地 | 建物の有無、土地の囲い、雑草、資材、基礎跡、出入口の状態 | 更地になった時期や理由を推測しない |
| 月極・時間貸し駐車場 | 駐車場名、区画、看板、管理会社表示、周辺との位置関係 | 車両の所有者や利用者を外観だけで断定しない |
| 解体工事中 | 工事囲い、工事表示、解体途中の建物、掲示されている工事期間 | 表示内容は確認日時とともに正確に転記する |
| 建替え工事中 | 建築計画等の表示、施工者表示、基礎工事、仮囲い | 従前の居住者と新しい建物との関係を推測しない |
| 別の建物が存在 | 現在の建物名、用途、住居番号、表札、郵便受け | 旧建物との関係は資料や聞き取りで確認できた範囲に限る |
例えば、現地が舗装された駐車場であれば、「建物が存在しない」と記載するだけでなく、駐車場の名称や看板、区画の状態、隣接建物との位置関係を写真で示します。工事中であれば、道路から確認できる工事表示や現況を記録します。
調査報告書に使用する現地写真の撮影ポイント
建物がない案件では、対象地点の特定と現況の説明を写真だけでも追えるように、距離と方向を変えて撮影します。一部分だけを大きく撮影すると、その場所が対象住所であることを確認しにくいため、周辺を含む写真と対象地の詳細写真を組み合わせます。

撮影しておきたい主な写真
- 対象地点と周辺道路を一緒に確認できる遠景
- 対象地の全体を確認できる正面方向からの写真
- 左右の隣接建物を含む位置関係の写真
- 街区表示、住居番号、駐車場名などの表示
- 工事看板や建築計画等の表示
- 基礎跡、工事囲い、資材など現況を示す部分
- 別方向から対象地点を確認できる補足写真
写真には、撮影対象と確認内容が分かる説明を付けます。「現地写真1」のような番号だけではなく、「対象地点を南側道路から撮影」「対象地東側の隣接建物と境界付近」など、位置関係を確認できる説明が適しています。
更地・解体済みだった場合の公示送達調査報告書の書き方
調査報告書は、確認日時、確認場所、対象地点の特定方法、現地の状態、写真、聞き取り結果などを時系列または確認項目ごとに整理します。重要なのは、調査員が実際に確認した事実と、それ以外の情報を混同しないことです。
1.調査日時と対象住所を記載する
現地へ到着した年月日と時刻、依頼を受けた対象住所を記載します。時間帯によって周辺の状況が変わる可能性があるため、日付だけでなく時刻も記録します。
2.対象地点を特定した方法を記載する
地図上の位置、道路、隣接建物、街区表示など、対象地点との照合に使用した情報を記載します。対象地に建物がない場合は、特にこの特定過程が重要です。
3.現地の状態を具体的に記載する
更地、駐車場、工事中などの現況を、目視で確認できた範囲で具体的に記載します。土地に建物が存在しないこと、仮囲いが設置されていたこと、駐車区画が設けられていたことなど、写真で確認できる事実と対応させます。
4.確認できなかった事項も明記する
建物がなければ、表札、郵便受け、インターホン、電気メーターなど、通常の住居所調査で確認する設備も存在しない場合があります。その場合は、未確認のまま省略せず、「対象地点に建物が存在しないため確認できなかった」と理由を添えて記載します。
5.解体時期や転居先を推測で記載しない
現地が更地であっても、建物がいつ解体されたのか、対象者がどこへ転居したのかは、現況だけでは分かりません。聞き取りや掲示物などで確認できなかった事項については、「不明」「確認できず」と整理します。
調査報告書の記載例
「対象住所付近へ到着し、住宅地図、南側道路および東西の隣接建物との位置関係を照合した結果、添付写真に示す土地を対象地点として確認した。調査時点において対象地点に建物は存在せず、土地は更地の状態であった。建物が存在しないため、表札、郵便受け、インターホンその他の居住状況を確認できる設備は確認できなかった。」
上記は一般的な整理例です。実際の書式、記載項目、表現は、現地で確認した内容と管轄裁判所の指示に合わせて調整する必要があります。
更地・解体済みの状況を写真付き報告書に整理します
対象地点の特定過程・現況・確認不能事項を、現地写真と対応させて報告します
近隣への聞き取りを行う場合の記録方法
案件の条件に応じて、対象地点の周辺で聞き取りを行う場合があります。聞き取りでは、必要以上に事件内容や対象者の個人情報を伝えず、調査目的に必要な範囲で確認します。
報告書には、聞き取りを行った日時、場所、相手の属性、質問内容、回答内容を整理します。相手の氏名が確認できなかった場合は、無理に特定せず、「対象地北側の近隣住民」「周辺店舗の関係者」など、確認できた範囲で記載します。
聞き取りで確認できる場合がある事項
- 以前、その場所に建物が存在していたか
- 建物が解体された時期を把握しているか
- 対象者が居住していた事実を知っているか
- 転居時期や転居先を知っているか
近隣の回答は、回答者の記憶や認識に基づく情報です。調査員自身が確認した事実として記載せず、「近隣住民から次の回答を得た」と情報源を明確にします。回答を断られた場合や不在だった場合も、その結果を記録します。
公示送達調査報告書で避けたい書き方
報告書には、結論を先に決めた表現や、現地の状態から推測した内容を事実のように記載しないことが重要です。
| 避けたい表現 | 問題点 | 整理方法 |
|---|---|---|
| 対象者はすでに転居している | 更地であることだけでは転居先や転居時期を確認できない | 建物が存在せず、居住状況を確認できなかったと記載する |
| かなり前に解体されたと思われる | 外観から時期を推測している | 解体時期を確認できる資料や回答がなければ不明とする |
| 誰も住んでいない | 調査時点の外観だけで断定している | 対象地点に住居として確認できる建物が存在しなかったと記載する |
| 公示送達が可能である | 送達方法を決定するのは裁判所である | 現地で確認した事実のみを報告する |
現地調査から納品まで管理するオンライン報告書システム
ファミリー調査事務所では、現地調査員が確認した事実と写真をオンラインシステムへ登録し、専門スタッフが内容を確認したうえで調査報告書を作成します。建物が存在しない案件では、対象地点の特定過程と写真の位置関係に矛盾がないか、推測を含む表現になっていないかなどを確認します。
現地から調査情報を登録
調査員が確認日時、対象地点の状況、聞き取り結果、現地写真を案件ごとに登録します。
写真と確認事項を一元管理
遠景、対象地、隣接建物、表示物などの写真を、確認内容と対応させて整理します。
専門スタッフが内容を確認
住所との照合、写真の位置関係、文章の整合性を確認し、必要に応じて調査員へ確認します。
専用画面から報告書を共有
法律事務所ごとに個別の閲覧URLとパスワードをご案内します。報告書の閲覧、PDF保存、印刷、調査画像の取得が可能です。
調査情報の管理
調査結果には対象住所や現地写真などが含まれるため、不特定多数が閲覧できる公開ページには掲載しません。管理者による確認後、依頼元へ個別に案内する閲覧URLとパスワードを使用して共有します。
更地・解体済みの現地調査にかかる料金と納期
住居所調査の基本料金は、1件80,000円(税別)です。現地調査、写真撮影、確認内容の整理、報告書作成、オンライン共有を含みます。
主な調査内容
対象地点の特定、土地の現況確認、周辺状況の撮影、案件に応じた聞き取り、報告書作成
基本料金
80,000円(税別)/1件
現地調査からオンライン報告までを含む
標準納期
原則1週間以内
案件内容・対象地域・特殊条件により前後する場合あり
離島、山間部、現地への移動が困難な場所、複数回の確認、特殊な調査条件などがある場合は、料金や納期が異なることがあります。ご依頼前に対象住所と必要な確認内容を伺い、進行をご案内します。詳しくは料金案内をご確認ください。
更地・解体済みの公示送達調査に関するよくある質問
Q.現地が更地なら、対象者が住んでいないと報告できますか?
対象地点に居住用の建物が存在しないことは記録できます。ただし、対象者の現在の所在や転居先まで確認できたことにはなりません。報告書では、建物が存在しないため当該地点での居住状況を確認できなかった旨を記載します。
Q.建物が解体された時期は分かりますか?
現況だけで正確な解体時期を判断することはできません。工事表示や現地で得られた回答など、時期を確認できる情報がある場合は、その情報源とともに記録します。
Q.対象住所が駐車場になっていた場合も報告書を作成できますか?
作成できます。対象地点との照合方法、駐車場の名称や表示、区画、周辺建物との位置関係などを写真とともに整理します。
Q.近隣住民から回答を得られなかった場合はどうなりますか?
回答を得られなかったこと自体を調査結果として記録します。回答を断られた場合や不在だった場合に、推測で内容を補うことはありません。
Q.調査報告書を提出すれば公示送達は必ず認められますか?
必ず認められるものではありません。送達方法を決定するのは裁判所です。調査業者は、裁判所が判断するための資料となる現地の事実を確認し、報告書として整理します。
Q.全国の住所を調査できますか?
東京をはじめ、名古屋・大阪・福岡・仙台・新潟など全国の現地調査に対応しています。対象地域や交通事情によって日程調整が必要になる場合があります。
そのほかの質問はよくある質問でも確認できます。
まとめ|建物がない事実と対象地点の特定過程を客観的に報告します
住所は存在するものの建物が見当たらない場合は、対象地点をどのように特定したかを示したうえで、更地、駐車場、工事中などの現況を写真とともに記録します。解体時期、転居先、現在の所在など、確認できていない事項を推測で補わないことも重要です。
ファミリー調査事務所では、現地調査員が登録した写真と確認事項を専門スタッフが確認し、法律事務所ごとの専用画面から閲覧できる調査報告書に整理します。遠方の案件を含め、現地確認から報告書のオンライン納品まで一括してご相談いただけます。
更地・解体済みだった住所の現地調査をご相談ください
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監修:ファミリー調査事務所
運営会社:株式会社FAM Investigation
東京都公安委員会 探偵業届出番号 第30210283号
公示送達・付郵便送達に向けた住居所調査に全国対応
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案に対する法的助言ではありません。必要な調査事項、提出書類、調査報告書の書式、送達方法は、事件内容や裁判所の運用によって異なります。実際の手続きは、管轄裁判所または担当の弁護士・司法書士へご確認ください。


